Talk+WET

[工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成の仕込み]
2016,6/4+WET(ウイークエンド・イブニングトーク)
magallanica/Tokyo

小林健二の作品はいろいろな素材や技法で表現されています。技法に関する質問や、素材のひとつでもある電気を使用した作品の紹介など。
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REVIEW

小林健二トーク小林健二トーク小林健二トーク

[工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成の途中経過]
2016,6/11+WET
magallanica/Tokyo

6/4からスタートしたトークの二回目です。新たな紹介工具が追加されました。
REVIEW

小林健二トーク小林健二トーク小林健二トーク小林健二トーク

Talk+Mini Live

[工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成の仕上げ]
2016,6/19+Mini Live
magallanica/Tokyo

今回はトークに加えて、初めての小林健二ライブが企画されました。
REVIEW

小林健二トー小林健二トー小林健二ライ小林健二ライブ

Mini Talk

[カンナを仕立てる1]
2016,3/26
magallanica/Tokyo

工具に興味のある方など限られた人数でのミニトークです。好評でしたので、次回はサイト公開の上、このような内容で行う予定です。

Work Shop

[自作キャンバスを作る]
2015,10/31,11/8
magallanica/Tokyo

今回みなさんとご一緒に作ってみるのは、亜麻生地を使用した吸収性(アブソルバン)タイプのキャンバスです。 その名のとおり吸収性に富むため、樹脂分の多い油絵具に有効で、さらに水彩絵の具、ガッシュを始め、テンペラなどにも適しています。 実技に加えて、キャンバスに関するトークも時間内に行う予定です。 尚、今回は少人数でのワークショプです。

このワークショップの告知ページ

ワークショップのレビュー


「初めてキャンバスを張った」という方がほとんどでしたが、みなさん、うまく仕立てていました。 小林オリジナルの配合によって長年の経験から作られたキャンバスレシピ、科学的に裏付けられた手法は古典技法から現代に受け継がれた錬金術のよう。何度となく乾かしそして塗る作業によって漆喰のような表面に仕上がります。詳しくはレビューにて紹介しております。

Kick off talk

[工作の楽しみ]
2015,9/20,26,10/3
Magallanica/Tokyo

今回はキックオフトークとして、小林健二が普段製作にあたって使用している工具などを紹介しながらの軽いトークです。[めずらしい工具][おもしろい工具][便利な工具]などを実際に見たり触れたりしながら、工作する楽しみを感じていただける企画となっています。

このトーク告知のページ

小林健二トーク小林健二トーク小林健二トーク小林健二トーク小林健二トーク小林健二トーク

3回に渡って行われたトークですが、どの回も違った内容が盛り込まれました。質疑応答の中で自然と小林から溢れる道具の知識や実演。どの工具も美しく整えられていて道具への愛情が伝わってきます。小林の選ぶ工具は、特に電動工具は音が静かなものが多く、触れていても安心感があり、実際に使ってみたいと思わせるものばかりでした。今回のトークの詳しい内容はリンクボタンの[小林健二の道具や技法]にて近々紹介予定です。

小林健二トーク小林健二トーク小林健二トーク

MUSIC

組曲[結晶]
suite"Crystal"
composed by Kenji Kobayashi
published by RUTIL TWIN RABEL
透明CD/8Pジャケット/特製ビニールケース入り

1980年頃よりカッセトテープなどに録音してきた自作の曲の数々を、2007年にCDとして編集した。

小林健二CD小林健二CD

VIDEO WORK

[ETAPHI]
VIDEO WORK:
KENJI KOBAYASHI
MUSIC:
ASTUSHI CHIKUMA 
presented by PICTURE LABEL & Music Design

{SUPER DORMEN]
mixed media
4500X3200X2200(mm) 1987

会場に巨大なモニュメントのような作品を製作し、その下のモニターでビデオ作品を流した。

小林健二ビデオ作品
小林健二ビデオ作品

BOOK

[AION-COSMOS.LIFE.ART.UNITY]

体裁:B4/244頁/上製本(紙クロス装丁・プラスティック・紙のダブルカバー掛け)/総写真図版605点(内カラ-202点/INDEXの文字は半透明紙に活版印刷)
発行:用美社 

1973から1990にかけて製作された小林健二の作品を殆どフルカラーで掲載した大部の作品集。1990年に出版

 

小林健二作品集AION

小林健二
  このままだとみんな死んでしまう。誰ものぞんでいるわけではないのに、もし人々が皆自分たち自身の手によって亡んでしまうのであれば、私たちが築いてきた歴史や物なんて何の意味もなくなってしまう。鉄 、鉛、木、油絵具による小林健二の1988年の作品のタイトルである。小林健二が望むと望まないとにかかわらず、彼の作品には、彼の強い意志、決意といった社会に対する敢然とした人間としての有り様が宿っている。彼の心の深奥に有る力ある者への抵抗、弱者への優しいさという信念が溢れている。
 小林健二の秀でた資質は、その潔い精神とともに、見事なまでに熟知し研究した素材、道具、材質感、その効果、耐久性への学び姿勢にある。
(中略)
 小林健二は1957年東京の新橋に生まれている。刀匠であった父の厳しい仕事への態度はそのまま彼に継がれている。新橋という江戸の粋を残した街、人間として見事な生き様をした父の姿、こうした中で生まれ育った健二は、やがて高輪の泉岳寺の近くに居を移すことになる。より洗練されたこの街で、彼は道具への興味と愛着、人々の生活の息吹と潔さを肌をもって感じたに違いない。彼は過去の自分の作品をあまり見たくないと言う。さしずめこの作品集はその過去の膨大なエネルギーの固まりでもあるわけだが、想像上の生物を鉛筆と醤油で描いた彼17歳の作品より始まるこの作品集からは彼の旺盛な制作欲がいたるところで存分に見られる。
(中略)
 彼を知って約1年、私の不調の時など、彼の強い励ましと勇気がどれだけ私を助けてくれたことか。言葉に尽くせない。こうして作品集が出版され、秀でた作家としての彼の全貌が世に改めて示された以上、ますます緊張感と責任が彼にのしかかってくることは間違いない。彼が常に口ぐせのようにつぶやく「良い仕事がしたい」「社会がよりよくなってほしい」というこの言葉とともに、小林健二が今後より多くのより豊かな仕事を残してくれることを深く信じてやまない。
用美社 岡田 満

[ILEM]


体裁:A5/P136/上製本/カラー図版70点/装丁;小林健二 
発行;ギャラリー椿

小林健二の1990-1993年の代表作品等を展覧会別に編集し掲載。1993年に出版

小林健二作品集ILEM

[ASTEROID ATARAXIA]


体裁:書籍(B6/128P/モノクロ/写真点数51点/文、倉林靖.前田真人)・フォルダー入り作品写真シート(B5サイズ12枚/カラー/作品点数16点) 
装丁:小林健二
発行:オネビオン現代美術ギャラリー

1992年に同ギャラリーで開催された個展の記録+小林健二のバックグラウンドを紹介した貴重なインタビュー記事を掲載。1993年に出版

小林健二作品集ASTEROID ATARAXIA

創造の背景ーケンジがやってきたところ
(前略)ーーぼくが興味を感じるのは、その多様な作品はもちろんだが、それらを矢継ぎ早に生み出す小林健二とは、どんなところからどんなふうにやってきた人間なのかということだ。「ものを作ってないと気が狂ってしまうようなところがある」と健二が云うように、ぼくは健二の表現の全ては、日々、作家が生きた濃密な感情の表出だと考えている。その感情の育まれた土壌はどんなものだったのか。健二がおりに触れ語ってくれた自身についての断片を寄せ集め、少し長めのプロフィールとしてこの稿を構成してみたい。ーー(後略) 
前田真人 (本文より)

[EXPERIMENT1]

体裁;特殊ビニールケース入り/本P56(文、小林健二、鷹見明彦、田熊秀樹)/小林健二オリジナルプレパラート+顕微鏡撮影ポジフィルム付きデータファイル/ポストカードセット(5枚) 
装丁;小林健二 
発行;ギャラリー美遊

1993年、同ギャラリーで開催された個展[EXPERIMENT1]に合わせて製作。

小林健二作品集EXPERIMENT1

(前略 )
そんな中で、ぼくはとても美しい世界を夢みることがある。息も詰める均衡や危うい壊れそうな瞬間ではない。全ての物質や非物質、命や現象や思想や流れ、全ての存在がゆるぎない安心で祝福されている世界。極微なものから極大な事象までもが、全て否定されること無く、自身のエネルギーの海を理解し、輝くような喜びに満たされている世界。ムダなものなんか原始一つもありはしない。尊大と絶望が中和して、もはや不安な夜もさみしい過去も風景への彩りと変わるんだ。ーもう平気だよ、誰も一人じゃないんだー

 ある日、ぼくらは風景の中に一つの実験点を開始しよう。そして最初に感じることに少し不安なら、顕微鏡や望遠鏡という言葉や意識の翻訳機構を、森のような大地の上で使用してはじまってゆくんだ。組織や天体や流れや重力が、ぼくらの立っている座標を教えてくれるはずなのさ。まだまだぼくらにできることって、いっぱいあるって、きっとアートって誰でも参加できる林間学校みたいなものなんだ。みんな子供の心になって、本当に知りたいこと、本当に愛したいこと、そして本当にきみだからこそやれることが、心の中で勇気になるんだ。やがて意識の朝が訪れて、ぼくらの望みが地軸や銀河の方向とぴったりになる日がやって来るのさ。
小林健二「EXPERIMENT 1」より

銀水色版[みづいろ](愛蔵本)

体裁:B6変形/上製本/P136/活版印刷/函入り 
装丁:小林健二
見返し及び挿入紙は、巻き見返しという技法を使い、本のノドまで自然に開くとこができます。また函は丸背の本がきれいにおさまるように、天地部分を同じような丸みでカットしてあります。全体に白くあえかな感じでありながら、しっかりとした美しい本です。

1993年に松明堂極光書房より発行されましたが、長らく品切れとなっておりました。其の後よせられた要望により、銀河通信社版として2005年に銀水色の活版印刷にで出版されました。

(これは実話にもとずき、綴られた本です。小林健二が子供の頃よりノートなどに書き留めていた「みづいろ」や「銀の水路」は、1979年に一度まとめられました。それを「夜と息」を加え1993年に「みづいろ」として出版されました。)

1993年には同時に異装本(
体裁;260X140(mm)/P136/上製本/函入り/特色グレー活版印刷/限定50)と特装本(オブジェ「真綿と方解石]と水色の活版印刷での本とのセット/限定30)が発行されています。


小林健二著書みづいろ

[星のいる室内-STELLA IN THE ROOM]

体裁;270X150(mm)/上製本/P44/函入り
装丁+作品;小林健二
文;大久保満男、伊佐子、小林健二
発行;ガレリヴォワイヤン

1993年にガレリヴォワイヤンで開催された個展にあわせて出版されました。ギャラリーオーナーの思いや、童話のような文章で綴られた美しい本です。

小林健二作品集

こころの中の少年少女たちへ
[ぼくらの鉱石ラジオ]
著者:小林健二 体裁;A5/256頁/上製本/図版写真500余点(内カラー多数)
装丁:ATELIER AO 
発行:筑摩書房

空中にただよう電波を電源もなくキャッチする鉱石ラジオの不思議について、自作ラジオや歴史、工作、そしてメセージを盛り込んで解説した充実の1册。
カバーをとると顔料箔押しに水晶の写真が張られているという凝った装丁。1997年に出版される。

小林健二著書ぼくらの鉱石ラジオ

[プロキシマ;見えない婚礼-PROXIMA-INVISIBLE NUPTIALS]

体裁:A5/196頁/上製本(シルクサテン装・三方小口プラチナ箔)/総写真図版95点(内カラ-74点)
装丁:小林健二 
編集:三菱地所アルティアム
発行:銀河通信社 

2000年にアルティアムで開催された小林健二個展の図録に加え、これまで彼がメディアに発信し続けて来たメッセージを抜粋し作品とともに掲載。内容、装丁ともに美しい本です。

小林健二作品集PROXIMA

展覧会に展示された、天然の鉱石や電波を受信する装置、やわらかな光りを放つもの、文字、きれいな色、かすかな音、手触りの良さを感じさせるもの、いい香りのするものといった、人を惹きつける要素に満ちた作品の数々は私たちにじっくりと観察させ、何かを考えたり、心やすらいだりするきっかけを与えてくれました。今回の展示で、作品がかたちとなる過程に使われる道具を実際手にとってみることができたり、愛読書やさまざまな標本などを実際見ることも出来たことは、小林氏自身が作品にかけた時間の流れすべてが今あるかたちに作用していることを感じずにはいられないものになったのではないでしょうか。本展を鑑賞された方々もさまざまな感想を抱かれたと思いますが、展覧会を鑑賞して、もし、何かこころ動かされたことがあったら、この本を読んで何か大切なものを得たとしたら、それが「アート」の力であるということを信じていただきたいと思います。 
(本文スタッフの感想より)
小林健二作品集PROXIMA
本[プロキシマ]のチラシ


[地球に咲くものたち-小林健二氏の鉱物標本室から-Flowers inside the earth-from the mineral specimens of Kenji Kobayashi]

体裁:B5/P32(全カラー)
写真:小林健二
編集:ATELIER AO
発行:石と賢治のミュージアム

2005年にミュージアムで開催された小林健二鉱物標本のコレクション展に合わせて出版。

小林健二本
喧噪も届かない遥かな場所、静かで何万年も変わることのない秘密の晶洞。そんなところで鉱質の結晶たちは安らいでいるのです。この至純な眠りの国では絶え間なく美しい夢が紡がれ、まるで目には見えない不思議な情報に促されるように彼らはその姿を現わしてゆくのです。
この成功も失敗もない世界に於いてはまた、争うことも競いあう必要もありません。ただ、この宇宙に流れている秩序の方向にその存在の軸を一つにしているのです。迷いやためらいもない穏やかな時間の中で夢を見続ける、それが彼らをまた祝福しているかのようです。地質学的堆積の範囲を越えて、この地球の意識が発芽して花を待つような、いじらしくも壮大なこの一連の素敵な事実はまさにこの星、地球に咲くものたちを創ったのではないでしょうか。(後略)
小林健二(本の巻頭文より)


[MEEM]
277X210mm/P200/全カラー/掲載作品数500余点
発行:Gallery TSUBAKI

1990-2008年代の作品を中心に構成しています。ソフトカバー仕上げですが糸綴じ製本のため、見開きにレイアウトされた作品も楽しめ、また本としての保持性も安心です。
2008年に出版。


小林健二作品集MEEM
プロフィール from [MEEM]
小林健二は1957年、 東京新橋に生まれる。
彼の作品世界、その魅力の源は独自性にある。
時風に常に流されず表現者としての生き方に徹し、これまで、そしてこれからもその活動を続けてゆくだろう。
その力強さの原点、それは彼のこころの深淵に広がる宇宙観にある。
目に見えないところに大切なものが潜んでいると確信する純粋な感性に、人が引きつけられるのは自然なことだ。
作品は、絵画や彫刻、インスタレーション、写真そして音楽や映像、舞台装置、あるいは電気の仕掛けをもつものや飲料水にいたるまで様々だ。
まるでそれぞれが色彩豊かな絵の具の一つ一つのように作用して、彼のイメージが形を持って生まれ出る。
だが、その作業は決して容易なことではないはずだ。
しかし、夢や天然から感受した霧のような存在が彼の肉体を通して具現化された時、あらゆる枠を超えて人はそこに一貫し、そして合一された詩情を感じるのだ。感性に直接響き、彼の真摯な世界観に引き込まれる。このように命ある限り、彼は次元の旅を続けるのかもしれない。
まさに天分を持ってこの世に生まれたと言えよう。

[ON A NIGHT WHEN EVEN LIGHT HERSELF SLEPT - ひかりさえ眠る夜に -]

B4変形(H304XW270XD28mm)/全カラー/P192(写真図版216)/上製本(ポリプロピレン製ダストカバー.サック入文:西田英恵、小林健二)
発行:福井市美術館

2003年、福井市美術館において個展が開催される。全館に渡り小林健二の世界が展開され、この本はその図録にあたる。

小林健二作品集

 

BOOK COVER

小林健二表紙作品


FURNITURE


[FLEXIOUS]

1987年「FLEXIOUS」のタイトルのもと発表されたテーブルとイスの作品。アーティストの視点からみた家具の依頼を受け、小林健二が製作したもので、これは一つの試みと提案。天然との共存。たとえばテーブルにはしっかりと根の生えた植物が植えられている。それはイスも同じでそこで人は植物たちが暮すのに 必要な光と水を与え、その中で共に食事をとり、話しあったりする。そして彼らは安らぎと空気の浄化をしてくれる。このような自然な形でのかかわりがもっと生活の中で生かされていけば、精神的な意味で豊かな暮しができていけるのではないだろうか。

小林健二家具作品

[Al-jabr]

1988年、恵比寿にオープンする老舗の寝具店依頼により什器製作。

BED
鉄、油 iron,oil 1195X2280X1250(mm)
TABLE
鉄、木 iron,wood
1000X2440X1080(mm)
CHAIR
左から[ALIE][FOUPOU][DUMEX]
鉄、石 iron,stone
1600X370X370(mm)

小林健二家具作品

[ART FURNITURE]

これらの家具は1988年[INTERNATIONAL GIFT SHOW]のアートブースに展示されたもの。

小林健二家具作品

WORKSHOP+TALK SHOW

TALK
1995,11/10(Fri.) 18:00-2:00
北沢ギャラリー/東京神保町
[石のもっている天然の力、石質のエロス]
対談;鎌田東二・小林健二

 

子供の頃から石や星が好きで、やがてそれが鉱物、そして天文学の研究へと発展して行くわけだが、それらに対する変わらぬ思いが、彼のこころの密かな安らぎの場になってるいように思える。
「石の宇宙」展と題された展覧会に招かれ、鉱物にまつわる作品を出品したかたわら、鎌田東二氏との対談が企画された。

小林健二トークショー

TALK
1997,2/22
対談;谷川俊太郎・ 小林健二
GalleryTSUBAKI/東京京橋

[ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)]出版に合わせてGallery TSUBAKIで開催された個展、[小林健二の背景-ぼくらの鉱石ラジ]1997.2/17-3/1の期間中に企画された対談。

小林健二トークショー

ー前略ー
不思議を感じるこころ
谷川 
今日はもうちょっと芸術のことを聞きたいんですけれど、どうしても鉱石ラジオの、それも工具とか材料の話しにしかならないところがおもしろい。つまり、小林さんは物の細部にすごく引かれている。僕は詩よりも小説に今、引かれているんです。詩よりも小説の方が現実の細部というか手触りというものにずっと触れているところがある。そのあたりに、もしかすると共通点があるような気がしますね。子どものころからラジオとかいじっていたのは、コイルやばりこんは単体で見ていてもきれいで好きだという、物に対する惹かれ方があたんですね。でも僕は自分の物に対する執着がこのところ無くなって困ってるんですよ。物欲っていうものも生きるエネルギーのひとつだからね。

小林
確かにそうかも知れませんね。でもぼくはあまり物質自身には重要性を感じないです。ぼくのアトリエにはほんとにいろんな物があるんですが、ある日全部がぼくの手元から去ってしまってもいいんです。物を集めて資料として残したいという気持ちはありますが、持ちつづけたいという執着はないですね。ぼくというのは常に触媒みたいなもんだと考えていて、この世に生まれてきてなにかに触れて一つの考えを提示できればいいなという感じです。

谷川
僕も詩人は巫女だと思ってますよ。だから自分がしゃべったり書いている言葉じゃなくて、声は別のところから来て、自分は管でそこを通過しているだけだと思っています。だいたい似たような意味だとい思うんだけど、触媒っていうのは。

小林
ええ、ぼく自身も自分は巫女的要素が強いタイプだと思います。意思や思想によってなにかをしているというよりは、自分がひとつの受信機だと感じています。受信機として自分がほんとうに興味のあるものに対して純真で無垢でありたいし、もしひとつの才能があるとしたら、技術的に作れるかどうかというよりはそのコンディションを維持できるかどうかだけという気がするんです。

谷川
自分がなにものであるか、自分がどこからきたのかという好奇心は人間に知性というものができてから、ずっとあったと思うんです。地質や古代生物を調べたり過去を振り返って、そこにある郷愁を感じる。自分が生きた時代だけでなく、自分がまだ生まれていなかった時代への郷愁も人間は感じることができるんです。そういう過去に向かう気持ちは、例えば宇宙ロケットを飛ばしたり火星探査機を飛ばしたりといった未来に向かう気持ちは、結局ひとつのものだという気がするんですよね。だから小林さんがラジオの発生したころの形に魅せられるのも、鉱石という最もプリミティブな形の回路に興味を持つのも、決して懐古的なものではないと思います。逆に言うと、今ブラックボックスみたいな電子機器の中でこういう形のものを見るとすごく新鮮に見えるし、小林さんが鉱石ラジオを調べてゆく中に、人間はどこへ行くかという問い掛けが含まれている気がします。

小林
鉱石ラジオに限らず、最初はこの社会の中に電気や電球が出てきた時代がぼくをわくわくさせる理由は、たしかに単にノスタルジーだけではない気がします。例えば無線が生まれた当時は、その原理をみんなで考えようという時代があったと思うんですが、その後メーカーが作るものをお金を出しさえすれば買える時代に変化していって、電信はなぜ人にものを伝えることが出来るか、ラジオはなぜ鳴るのかに興味を示さないばかりか、その情報がなくなったような気がするんですね。だけど魔法に思えたり神秘だったりするものの持ってる力が失せてしまったわけではなく、ただ人がそれを感じ取る力を失ってしまっただけでしょう。だから天然の中にあるたくさんの不思議をもう一度復建したいんです。天然の中にはいろんな神秘なもの、広大な海や空のような圧倒的なものがあるのに、つまらない勢力争いや名誉欲の迷路から抜け出ることが出来なくなっている。人間が自分の価値や力だけを高めようとする社会になりつつあるような気がするんですね。大きな力に邂逅できれば、人間自身はちっぽけかも知れないけれど自分たちはすばらしいものを感じ取る力があるという自信を取り戻せるんじゃないかと思うんです。
「No.319 ちくま(1977/19)」より

TALK
1997,4/25(Fri)19:00-
デルタ・ミラージュ/東京神田
[鉱石ラジオの不思議]
対談;松岡正剛・小林健二

調度「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」が出版される前に企画された対談であった。「鉱物展」への出品依頼により「サイラジオ」「IN TUNE WITH THE PAST TENSE」「夜光結晶短波受信機」などの作品を展示。その会場で石の持つ不思議な魅力について語る健二の話は、おのず其の当時執筆中であった鉱石ラジオの話題へと繋がる。

小林健二トークショー

左の作品
[夜光結晶短波受信機]木、金属、結晶。電気等
[NOCTILUCENT CRYSTAL;SHORT WAVE RECEIVER]wood,metal,crystal,electricity,others 1997
Elfrite(エルフライト)Moonnight(ムーンナイト)Darkseasight(ダークシーサイト)という鉱物によってラジオ放送を受信し、時に火星からの電波もキャッチするとう。窓が青くひかる箱の中にそれらの鉱物が設置され、観客は上のレバーを操作することによって、検波状況を楽しむことができる。

右の作品

[IN TUNE WITH THE PAST TENSE]電波石、地球溶液、結晶受話器、その他
crystal for detection,the earth solution crystal receiver.others 1997
中央にあるオレンジ色の透明な結晶に針を当てると、イヤホンから地球上における1920年代以降から昨日ころまでの放送を受信できるという実に不思議な装置。トークショーではこの作品に対する質問がとても多かったのも当然であろう


WORKSHOP
1998,7/11
ラ・フェニーチェ/大阪
[鉱石ラジオを作ろう]

鉱石ラジオの最初のワークショップ、小林健二オリジナルの工夫されたキットを用意し、限られた時間の中で予約者のみんなが思い思いに作り上げることができたようだ。「ぼくらの鉱石ラジオ」が上梓された時点での反響は大きく、各メディアでも取り上げられて来た。しかし鉱石ラジオの魅力を紹介すると同時に、工作する楽しみを伝えたかったが、地域により入手困難な材料等もふくまれ、その頃から彼はワークショップやキット製作に力をいれるようになる。作る側からの視点で設計されているため、説明書からキット内容、そしてパッケージのデザインに至り、丁寧な感性が現れていて、その後これらのキットは[銀河通信]として銀河通信社より数種紹介されるようになる。


小林健二ワークショップ小林健二ワークショップ

WORK SHOP
1999,12/7・25
Gallery IDEA/東京青山
[小林健二と電気の世界/鉱石ラジオを作るワークショップ]

小林健二独自の電気仕掛けの作品を展示すると同時に、鉱石ラジオをつくるワークショップが企画された。目に見えない電気という存在が彼によってこの世界に形をもって姿を表わしてくる。やはり不思議であったりきれいであったりするものの前では、人は目をかがやかせるものだなと実感する展覧会であった。
ワークショップにちなんで自作の鉱石ラジオや昔の鉱石ラジオも展示された会場でおこなわれたワークショップもまた、手を動かす喜びが伝わってくるように見受けられた。
応募者が多くてすぐに一杯になってしまったため、今後幾度かに渡り、このギャラリーでワークショップが開催される。

小林健二ワークショップ

WORKSHOP +TALK
2000,8/13
福井市美術館/福井
[鉱物や電気のふしぎなはなし/鉱石ラジオを作るワークショップ]

展覧会「時の万華鏡」への出品依頼に合わせ、トークとワークショップも同時に企画された。参加者の中には夏休みという期間もあったせいか、子供たちの姿も多い。小林健二の用意した鉱石ラジオのキットをみんながそれぞれのペースで組み立て、館の庭に設置されたアンテナで試してみる。そして調度放送されていたのが高校野球。「聞こえる!」との声がとび、その成果を満喫していた。その後場所を移して目に見えないものの持つ不思議な力や現象について、健二は作品をまじえながら話しはじめる。きっと目を輝かせて直に作品に触れたり、聞いていた子供たちの中から、第2、第3の「ケンジ」が生まれるかも知れない。そんな気持をおこさせるトークショーであった。

小林健二ワークショップ小林健二ワークショップ

WORKSHOP
2000,12/10・23
Gallery IDEA/東京青山
[道具についてのレクチャー]

道具や工具に対する健二の博識ぶりと実践的な使いこなし、そしてアトリエに溢れるその数は目にみはるものがある。実際に作品を製作する時に使用されるわけだが、その登場を待つ工具たちはどれも愛着を持って美しく整備され、刃はよく研がれている。そのひとつひとつへのこだわりがあるからこそ、生まれる作品たちの完成度がみごとに高められているのであろう。今回は健二の道具などを展示し、工作者へすすめる何点かの工具をギャラリーが代理となり輸入する仕組みをとった。今回のレクチャーはこれらの道具や工具の説明から、参加者からの質問を受け、希望者には実際に工具に触れてもらう体験型のものだった。

小林健二ワークショップ

TALK
2001,4/17
こどもの城/東京神宮前
[21世紀の感性を考える会ー結晶と見えない光、自然の神秘に創造性]

この企画は対象が美術の先生や教育関係の人たちで、絞られた参加者によっておこなわれた。まずは理論から入るのではなく、不思議な現象を感性に訴える事からはじまる小林健二のトークは、人の立場や枠組みを超えてしまうようだ。「なぜ?」とか「きれいな光り」とか感じている時の人のこころは、きっと大人も子供も男も女もないのであろう。そしてるいるいと流れるように話しはじめる健二の世界に、自然と皆がすいこまれる。そこに確かに存在する次元があって、この後いかに社会の中で自分が自分らしくあることを実感していけるか、課題も持ちかえり子供らとともにそんな話題が繰り広げられる場ができることを小林健二ものぞんでいるのであろう。そんな役割を彼はこの何年かで感じながら果たしていこうとしているように思える。

小林健二トーク小林健二トーク

TALK
2001,9/24,25
石と賢治のミュージアム/岩手一関
[不思議な結晶と白亜紀に生きた恐竜]

このミュージアムとは鉱物標本の納入、展示のアドバイザーとして小林健二は関わってきた。訪れる子供達へ話をしてほしいとの依頼を受け、何回かに渡りトーク、ワークショップが行われている。今回はこの頃館に納められた「タルボサウルス」の骨格標本を前に、恐竜についてスライドを使ったりしながら話が進められた。子供は恐竜や不思議な生き物が好きである。小林健二もそのひとりとして子供の頃はよく上野の科学博物館へ出かけて行ったものらしい。そしてそこで鉱物や大きな恐竜の化石などに出合い、ワクワクしながら想像をかきたてられ、自然と本を読んだりしながら知識を深めて行ったようだ。それは今も変わらず続いている。子供が知りたいと思った時にいろいろな資料を提供できる場として、このミュージアムが機能してくれることを願っている。

小林健二トーク小林健二トーク

TALK+WORKSHOP
2002,8/24,25
福岡市博物館/福岡
[ラジオをつくろう]


夏休みに家族で楽しめるラジオ工作ということで、福岡市博物館から依頼を受けた。ただ単に作るだけでなく、健二独自の方法でワークショップは進行される。作品を見せながら電気の不思議な働きをまずは感性に訴え、そしてラジオが聞こえてくる原理へと展開する。そこにはおのず「なぜ?、知りたい」という自発的な要求が生まれ、それに答えるがごとく工作へと導かれるのである。そして出来上がったラジオを大切そうにアンテナのところまで運び、イヤホンを耳しながら同調のツマミを回す時、少年、少女の顔はかがやくのである。

小林健二トーク

TALK
KENJI KOBAYASHI Monday evening talk vol.1
2004,4/26(Mon) 19:00-21:00
CUBIC Gallery ITEZA/京都
[製作の現場からー作品の生まれていく背景について]


作家、小林健二の近作を、福井市美術館で昨年秋に企画された個展「ひかりさえ眠る夜に」のスライドにて紹介しながら、彼の長年の製作の現場から様々なお話を伺います。それはたとえばアトリエの工具に関わる事や絵具つくり、あるいは、鉱物や天体など幼少の頃からの興味など多岐に渡っています。それらは、その高い独創性を備える彼の作品の背景に、目に見えない精神的な領域をかたちにすることに対面する日々があることを教えてくれるでしょう。
(案内状の文より)

小林健二トーク

TALK
KENJI KOBAYASHI Monday evening talk vol.2
2004,9/20(Mon) 19:00-21:00
CUBIC Gallery ITEZA/京都
[小林健二with少年少女科学クラブ /対談;そのものらしくあること]

大勢によって取り上げられた価値や比較によって確認される何かではなく、自由や平和を愛しながら、ただ己らしくあること。それは天然を見つめたり、ものにふれたり、自分の感性が感動することをそのままにやってみたりと、自分の素性に近いところにとどまるとき、知らないうち気付かないかたちで実現しているものかも知れません。そんなことを小林健二の存在は知らせてくれるように思います。彼の作品や研究や興味に見られるさまざまな要素は、存在のありのままで受けとめようとすることが、目に見えないものたちのメッセージに耳を傾けることであったり、この宇宙の現象をさまざまに知ることであったり、また、幼い頃に好きだったことを想いだしたり、わたしたち自身が発信することにもなるということを、不思議にも体感させてくれるのです。そんな彼の魅力のひとつは、何より、素の自分で居続ける、ということかもしれません。その製作の現場や人となりを知ることから、「自分らしくいたいとは思うし、探し続けてもいるけど、どうしていいかまだわからない」という彼や彼女に、何かのきっかけをつかんでいただけるものと願っています。今回は、作品も2点展示いたしました。また、対談には少年少女科学クラブをお相手に迎え、小林氏の著書「ぼくらの鉱石ラジオ」を名著と親しむ彼らならではの切り口から、その知られざる側面を引き出してもいただけることでしょう。
(案内状の文より)

小林健二トーク

WORKSHOP
[ぼくらの鉱石ラジオ作り]
2004,11/6,21.12/11
風カルチャークラブ主催
小林健二アトリエにて

今回のために、特別に小林健二は鉱石ラジオキットを設計デサインし製作した。このワークショップは人気があったためキャンセル待ちが続出し、本来二回のところをもう一回増やし三回行われた。そして2005年の三月と五月にも追加で企画されている。魅力のひとつとして、あの「ぼくらの鉱石ラジオ」が執筆され、不思議な作品が生み出される現場、まさに彼のアトリエでのワークショップということが上げられるだろう。使い込まれた作業台の上でコイル巻きに集中し、彼の指導のもとに電動工具を使い、その合間に小林健二のトークを聞き入りながら、少しづつ完成していくオリジナルの鉱石ラジオにみんな満足げである。最後は彼独自の電気仕掛けの作品を前に、彼から語られる熱い話しに、心も充実して帰って行った人がほとんどであった。

小林健二ワークショップ

 

TALK
KENJI KOBAYASHI Monday evening talk vol.3
2004,12/20(Mon) 19:00-21:00
CUBIC Gallery ITEZA/京都
[鉱石ラジオとその背景ー作品の中に生きる電波と光]

小林健二氏は、1997年、「ぼくらの鉱石ラジオ」(筑摩書房)を出版されました。その本は比較的高価な本であるにもかかわらず、すでに2万部ほどが売れ、隠れた名著となっています。年齢層の高い読者に受け入れられるであろうとの出版当初の予想をはるかに超え、多くの若者たちの心を強く捉えました。私たちは、なぜこの本が彼らを魅了したのかを考えました。今日、アートの世界が閉塞していると多くの人たちが感じています。本来アートとは、社会の実態を真摯に見つめることができたり、安らぎを得たり、勇気を抱けたりするひとつのきっかけであると私たちは思うのですが、残念なことに現在ではその機能が失われているように見受けられます。そして、その状況に最も心を痛め悩んでいるのは若者たちではないでしょうか。その中にあって、小林氏のつくる作品は美しく魅力的な側面を持ちながら、多くのメッセージが込められており、それは、その周りにあるものとの関係を密に取り結ぶという、見失われてしまった手続きを、もう一度、彼の作品やその生き方から掴めるのではないかと思い、来年秋に予定している個展の前に連続してトークを開催するという企画を立て、その歩みや作品世界について詳しく語っていただけるよう依頼しました。今年すでに2回が行われ、多くの人の共感を得たもので、私たちは確かな手ごたえを感じています。今回は、作品の背景であるメンタルな部分でのトークを依頼しています。それは、忘れられている世界や目に見えにくい世界へのアプローチとなることでしょう。また、ガラス球の空ろな内部に込められた大気がオーロラや稲妻のように光る作品を見ていただいたり、2003年秋に開催された「ひかりさえ眠る夜に」にて展示された世界最大級の巨大なものも含む平面発光体(エレクトロルミネッセンス)についてもスライドにて紹介したいと思います。多くの人たちにとって、目に見えない内面を充実させるきっかけとなっていただければと願っています。
(案内状の文より)

小林健二トーク

WORKSHOP
[ ぼくらの鉱石ラジオ作り]
2005,5/28
風カルチャークラブ主催
小林健二アトリエにて

昨年から始まったこの鉱石ラジオのワークショップも4回目を迎えた。小林健二のアトリエで工作を楽しむとの企画から、興味は広がったのかも知れない。当初2回の予定が今回までにおよんだのは、希望者が多かったためとのこと。彼のアトリエを知る者なら、それはうなずけるかも知れない。所狭しと置かれた標本や道具、工具など、どれもが無造作に置かれているようでいて、何とも言えない不思議な雰囲気をかもし出している。どれもが愛着を持って使いよさそうに、そして感じがよく手入れされている。その工具の一部を使用しながらラジオづくりは進められていった。朝10時から開始され各自が用意したランチで一呼吸、そしてまた作業が始まり知らずと窓の外は薄暗くなっていく。しかし時間の経過が止まってしまったかのようなこの空間で、思い思いの工作に熱中し、健二と対話し、完成へと導かれ、そして「音が聞こえた!」とイヤホンを耳にあてながら少年、少女のような歓声が上がる。まさに日常とは違った、この日が特別な一日になったのではないだろうか。

小林健二ワークショップ

TALK
[想いとかたちが出会う場所
イブニング・トーク小林健二氏の不思議な作品たち]
[作品が生まれるずっと前に:好奇心について」]
Gallery ef/東京浅草
2005,5/14(土)19:00-
2005,6/5(日)19:00-


アーティスト、小林健二。
その創作活動は、美術、音楽、写真、著述、映像、鉱石ラジオなどアーティストという枠では捉えきれません。彼の表現を支えるのは少年の好奇心と探究心。驚きと興奮が導くその興味は、神話、鉱物、道具、宇宙、材料、言葉、香りなどとどまるところを知らず、既成の学問が引いた境界線をゆうゆうと飛び越えてゆきます。
小林健二は、一見無関係に思える事象の断片を物語として結晶させ、かたちとして実現することで、人々が見たことのない、それでいて心の深いところで共感する作品を創りつづけてきました。
『想いとかたちの出会う場所』は、小林健二が触れてきた世界について想いのままに語ってもらう夜です。第1回のテーマは「好奇心」。作品が生まれるずっとまえに何かが芽生える瞬間についての物語が始ります。週末の夜、あなたの心を自由にするひとときをお楽しみください。
(案内状の文より)


小林健二トーク
小林健二トーク

どこかにあるはずの場所へ
2000年、私は福岡にいた。小林健二さんの展覧会を見るために初めてこの街を訪れた。市立美術館、企業美術館、そしてふたつのギャラリーを結んだ大規模なプロジェクトだった。私は4つの会場を巡るために、福岡の街を歩きつづけた。
歩き疲れ、ある会場でただぼんやりと健二さんの絵画を眺めていたときのことだった。ふと、室内に飾られた絵画、そして別の部屋にある立体作品のつながりが見えた。「小林健二の心の中には遺跡がある」。どこからか、そんな声が聞こえたような気がした。
遺跡のある場所には、かつて知的生命体がいた。何らかの理由で、生命体はその地を去った。彼らの生み出したモノだけが残った。訪れる者は誰もおらず、ただ時だけが過ぎてゆく。
健二さんは、ただ淡々と遺跡の情景を描いている。ときには鳥瞰しながら、ときにはその中に入ってゆきながら。私は、健二さんの目を通じて遺跡を見る観察者としての自分に気づいた。
ほんの数秒間だったかもしれないが、私はどこかに確実にあるはずの場所へと旅をした。
福岡での展覧会から約4年。年に一度か、二度、思い出したように健二さんのアトリエを訪れてきた。時の経つのを忘れて話したあとには、(正確には話を聞いたあとには)いつもシンプルなことに気づく。
 
自分の心の声に耳を澄ますことの大切さ。哲学や思想なんて大げさなことではない。ふと思うこと、ふと感じることに、少しだけ耳を傾ければきっと自分らしくなれるということを。そう、福岡で体験したあの一瞬のような自分に。
「想いとかたちが出会う場所」は健二さんのホームタウンである東京で、自由に語ってもらう夜。テーマは決めるものの、健二さんのことだから、縦横無尽に話は広がってゆくことだろう。この夜はそれでいい。エッセンスが散らばれば、散らばっただけ、集まった人々が自分の中に眠る大切なものにふれるきっかけになるはずだから。
ギャラリー・エフ 山口 剛

TALK
[不思議ってなんだろう]
ふるさとわらべ館/福岡八女市
2005,7/23(土)14:30-16:30

小林健二トーク


WORKSHOP
[鉱石ラジオを作るワークショップ]

2005,8/20(土)16:30-19:00
青山ブックセンター/東京青山

小林健二設計による東洋においては始めて作られたさぐり式鉱石ラジオキット「銀河1型」を使用して、電源もなくラジオ放送をキャッチする不思議なラジオを組み立てました。夏休みの関係もあり真剣そのもで組み立てている 子供たちの姿が目につきました。夏休みの工作の思い出の一つになればという 思いで企画されたこのワークショップの参加者たちは、仕上がったラジオを持ち帰り、
年令をとわず宝物が増えたような思いをした方が多いのではないでしょうか。

小林健二ワークショップ

 

TALK
[XYSTUM -怪物の始まり-]
2006,5/14(日)15:00~
Gallery TSUBAKI/東京京橋

個展[XYSTUM]の会期中に企画されたトークショーです。雨上がりの日曜日、3時から行われたトーク、いつもながらの熱気に包まれていた。小林本人も風邪のため熱をおしてのトークだったが、きっとそれを知らなければ、体調不良を微塵も感じられない。その2時間はあっと言う間に過ぎ、そして長くて濃い2時間でもあった。文章にしたら多分それだけで一冊の本になるかも知れない。今回のテーマである怪物の話し、それは胸を熱くする。必ずといっていいほどに殺される運命を背負う彼らへの想いが、哀愁やどこか悲しい形で現れてくる。そんな作品たちを背景にして、タイトルや作品中の文に秘められていること、あるいは参加者に作り手も多いことから、どのようにして作られたかの技法や材料の話しなどで進められた。その時に使用した道具なども披露され、大好きな工具を手にした小林は子供のようにうれしそうだ。彼から発せられるメッセージは時に激しくそして静かで、でも確実に心の底に積もってくる。リピーターが多いのもそのせいのような気がする。

小林健二トーク

TALK
[見えない世界の不思議]
2006.6/2(金)
玉川学園/東京町田

年に一度開催される日私小連東京地区教員研修会で、図工の先生対象のトークを依頼された。子供たちに教える立場の人が大人になり失いかけている感動や新鮮な気持をよみがえらせたいと「不思議」を体感する機会を作ってみたいとのこと。まさに子供のように皆が身を乗り出していた。今回は参加者が美術の先生ということで、小林の話しも焦点が絞りこまれていく。「今も昔も子供はいつも無垢な状態で生を受ける。教育とは[EDUCATE]、つまり枝分かれして伸びていく道を作ること。どの道を選ぶかは子供たちの自由で、子供の時の興味をそのまま伸ばしてゆけたらいいよね。ぼくは鉱石ラジオの本を書くにあたって、いろいろ勉強した。そしてその本で伝えたかったことは、人間は何も分らないんだってこと。」
トークが終っても人だかりが止まず、この時は先生や生徒や、、というのではなく、一人の人間として皆が気持を共有し合えたように感じられた。

小林健二トーク

WORKSHOP+TALK
短期実技講座A
[自作のキャンバスと絵の具で絵を描こう]
2006,9/17・9/18
ふくやま美術館/福山

これは絵の描き方の講座ではありません。絵を描く以前にどのような目的や意図によって作品を制作していくか、あるいは洋画の技術面からその造詣を深めていけばと企画された講座です。なるべく一般的に入手可能な材料を使い、本格的に近い技法でキャンバスや絵の具を自作してゆくと同時に、それにまつわる話で構成されます。その経験は「何かを伝える」という原初的な感覚に触れる事になるでしょう。そして白い支持体にひと筆を記すのはそれぞれの
感性に委ねられます。
今回のワークショップは、二日間の限られた時間の中で本格的に近い状態で自作のキャンバスと絵の具を作るという、濃い内容だった。こんな経験はそう出来るものではないでしょう。ましてや彼により入念にキット化された素材の数々。入手困難な樹脂なども含まれていて、それだけでも充実しそうだ。まずは彼がいつも絵の具作りや支持体の製作に使用している持参した道具や、持ってこれなかったものはスライドなどで紹介され、まつわる歴史などもおりこまれたトークからはじまる。

小林健二ワークショップ

TALK
2007,3/24 (土)13:00-15:00
[小林健二氏の不思議な作品たち]
WORKSHOP
[鉱石ラジオをつくろう]
3/25(日)13:00-15:30
ふるさとわらべ館/福岡八女市

わたしが小林健二さんと初めてお会いしたのは、確か芝生広場の上で握手したのが最初ではなかったかと思います。
よく質問する風変わりな人という印象でした。
私はすっかり不思議にはまり、小林さん設計による結晶キットやラジオ作りに励みました。しかし、子供たちの中には作っていく中で、いろんなことを直接聞いてみたいと思うのではないでしょうか。
今回小林さんにお願いした「秘密手帖」とは、結晶やラジオ作りの時には必ず役に立つわかりやすい解説書を作って欲しいとお願いしたことがきっかけでした。
子供たちがこれらの工作をするときにワクワク、ドキドキするような
ことまで解説してあれば、どんなに夢中になるでしょう。また、失敗
しそうなところもポイントで押さえてあれば、後で泣きべそをかくこ
ともありません。
ところどころに明かされる小林さんの秘密テクニックを参考にして
不思議の素を育てて欲しいと思います。
観察したことや感じたことを書き込んでいけば、それはやがて宝物と
なるでしょう。注意深く物事を進めていく集中力を養うために、すば
らしい秘密手帖をみなさんが育成されることを、心より望みます。

ふるさとわらべ館 原口昌宏 

小林健二トーク

 

WORKSHOP
[鉱物から絵の具を作ろう]
2007,9/23(日) 13:00~
石と賢治のミュージアム/岩手一関

あっと言う間に定員に達したというこの企画、参加された方々は様々な県から訪れていました。この館の特長の一つでもある「鉱物」についてのトークとワークショップであり、また。これまで毎年のように開催されてきた小林氏のイベントにより、多くの地方にも馴染み深い地域に、この東山町がなったと言えるかも知れません。

「鉱物」というと、何か植物や動物とは違った、動かない、生命を感じないという人もいたり、何か日常とは無関係に思われるような気もします。しかしながら、この地球で長い時間をかけて生成され、そして今私たちの前に姿を現わしている鉱物たちは、実にいろいろな形をとって生活のなかで生きずいているのです。その一つに、絵の具があげられるでしょう。

今回はマラカイト(孔雀石)とプルプライト(紫石)をヤスリで削って顔料を作り、それをアラビアゴムを主成分とした媒体で練って水彩絵の具を作ってみました。出来上がった絵の具はほんの僅かですが、きっとそれで絵を描こうと思った時は、大切な表現に繋がる「伝えたい気持」を思いおこさせるような気がします。

ヤスリや顔料のローアンバー、テールベルト、ウルトラマリン、そして練るための溶剤となる溶液と親水性を増すための溶液、練り台と、盛り沢山の材料の数々。
多めに用意された溶液で、持ち帰った後も工夫により新たな「自分なりの絵の具」が生まれているかも知れません。生き生きと作業を進めているとても楽しい表情が会場に溢れる一日でした。

小林健二ワークショップ

 

TALK
2008.6/5(木)13;00-
多摩美術大学にて特別講義
レクチャーホールC/東京八王子

室越教授の依頼により油彩科の大学生たち対象のレクチャーが行われた。表現すること、あるいは美術の世界で生きていくことを目指している多くの学生が集まる。楽しむ事により生まれる創造性を、実際に健二の工具や作品に触れることから体感し、そしてまた、何を伝えて行きたいのか、という内なる思いの大切さなど、それぞれに持ち帰る気持ちが多くあったのではと思われる。

小林健二トーク

OTHERS

[ARTISTIC LIGHTS]
電子部品、ハーフミラーガラス、石electric device,half mirror glass,stone 1988

特殊な機構でさまざまな表情を見せるアーティスティックな照明器具、商品開発の提案として製作センサーに手を軽く触れると、暖かな光が静かに表れはじめる

小林健二その他の作品

 

[ARTCHITECTURE MODEL]

建築模型にも天然との調和を常に大切に思う健二の一貫したコンセプトが表現されている。これら1989年にある建築雑誌の依頼により製作されたものであるが、豊かな自然の中に棲む人々、みな等価値に同じ星に生息する生物であることを意識し、鉱物や植物、水や全ての現象とともに共生していけるような環境をシュミレートしているといえよう。

小林健二その他の作品

[CLUB ZEUS]

夜に始まるこの店は、その扉の窓が青く光りすでに中の不思議な雰囲気を漂わす。そしてドアを開けると突然の暗闇。内部が輝いている予感が打ち消される。
暗い部屋に潜む小林健二の作品たち。ここで訪れた人々が音楽を聞いたり、お酒を飲んだり、ひそやかな会話をかわしたりして、その一時を楽しむ。1996年、知人であったオーナーの依頼により空間演出から関わった。

小林健二その他の作品

Edited by ATELIER AO